いつも口をもぐもぐさせながら・・入ってくる。
腰もだいぶん曲がっている。
「どうですか?元気ですか?」
『おかげさんで。元気ですよ~』
「暑いけど、大丈夫?」
『いつもとおんなじだよ、散歩もしてるし、毎日フレスコ行ってお茶飲んでくるし・・』
「あの頃より、ずっと元気やね~」
『あん頃はお父さんで苦労したけどね・・今は息子と二人暮らしだから、気が楽ですよ~』
『先生~・・・私はね・・仕事が好きだったよ。仕事はいいねえ、大好きな仕事を75才までさせてもらったから、もう悔いはないんだよ。あんな仕事ができて幸せだったよ~』と。
着物を縫っていたそうである。
自分の仕事が自慢だったと言う。
『いっぱい注文が来てね~いいできばえだったら、とても嬉しかったよ~』
『200万円もする着物もあったよ~』
『だからね・・もう何にも思い残すことはないんですよ。このまま生かされていることが嬉しくてね~。神さんがもう来なさいよと言ってくれるまではこうやって生かしてもらいます。ありがたいことですよ。いい人生やったなあ~』と涙ぐんで言った。
今日も患者さんから感動をもらった。

コメント
コメント一覧 (2件)
そんな風に生きてこられたら良いですねえ。
わたし今しんでも、絶対そんなこと言えないです。
今死んでもいい・・人生に満足!
毎日がそういう日であったなら、それが幸せというのでしょうね。
少しだけど僕もそういう気持ちに近づきつつあります。
何度も死にかけたからかな?
それに、患者さんにそう言ってもらえたら主治医としても嬉しかった。
というより・・・もらい泣きしそうでしたね。