『死ぬかと思った』というようなタイトルの本があったように思う。
3度目のそれである。
これも大阪の病院にいた頃であった。
後輩の内科の先生とその同期の脳外科の先生とファミリーレストランへ夕食を食べに行った時のことである。
今もよく見かける郊外のレストラン・・和食の○○である。
3人でうどんすきを注文して、いろいろ雑談、談笑して食べた。
その日の体調は悪くは無かった。
食べ終わって・・ほっと一息ついている頃になって妙にむかむかしてきた。
「吐くかも知れない」と感じた。
二人に声をかける間もなくトイレに立った。
トイレに入るやいなや便器にもどした。
きれいな鮮血があふれるように出るのだ。
めまいがした。
便器が真っ赤になった。
痛みは全然無かった。
3度ほど吐いて何とかおさまった。
長い時間トイレから出られなかった。
やっとのことで、二人のところに戻った時、どうやら顔色が悪かったらしい。
『どないしたんや!』とみんなを慌てさせた。
『ちょっと血を吐いた』
すぐに病院へ帰った。
足取りもしっかりしているし、それから吐かないし、採血をしても貧血はたいしたことがない。
当直の医師は『まあ・・大丈夫でしょう・・明日の朝に内視鏡しましょう!』と言う。
入院はしたくなかったし、輸血もしたくなかった。
点滴を受けて、病院の当直室でその日は泊まった。
『なんかあれば処置しますから・・』ということで。
明くる日、内視鏡をした。
自分も一緒にモニター画面を見た。
胃の中に血液はもう無かった。『わりにきれいじゃないか・・』
胃の入り口からすぐのところ、胃体上部後壁・・食物が最初にぶつかるところに直径5ミリくらいの浅い潰瘍ができていた。
露出血管は無かった。血管が切れたわけでは無かった。
いわゆる通常の胃潰瘍ではない。
つまり消化性潰瘍とは部位も形状も異なる。
急性胃粘膜病変(AGML)でいわゆる急性潰瘍というものだ。
ほっとした。
しかし、原因はストレスでも薬でも無いと自分では思う。
僕は早食いである。
誰にも負けないくらい早く食事を平らげる。
おそらく・・熱いうどんを早く食べ過ぎて、胃の熱傷を起こしたのだと今でも考えている。
以来、うどんすきの熱いのは良くふ~ふ~してゆっくり食べるように心がけている。


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