5月の・・このむせかえるような季節になると思い出す。
もう20年前の事だ。
いつものように出勤し、外来診察に行こうとしたが咳が止まらない。
もう長く空咳が出ていた。
気力を出そうとするが・・疲れて出ない。
『おかしいなあ・・これでは仕事にならない』と思って診察前に自分の胸部レントゲンを撮影した。
そうしたら、左の肺尖に空洞らしき陰影が見つかった。
目眩がした。
それが僕の肺結核の始まりであった。
すぐに休職、気管支鏡検査をした。
排菌はしていなかったが培養で結核が証明された。
2ヶ月の休職、6ヶ月の抗結核薬を服用した。
薬のせいで尿が毎日オレンジ色になった。
最初の一ヶ月は発熱と倦怠感との闘いであった。
入院せず、自宅療養をした。
昔の人間なら・・沖田総司や正岡子規のようにこれで命を落としたのだろう。
そう思うと、人生ははかないと感じた。
病床で吉川英治の『宮本武蔵』全冊を読んだ。強くなりたかった。
僕は今まで3回死んだかもしれない。
第一回目がこの結核であった。
今はほとんど痕跡無く治癒している。
5月のむせかえる季節になり空が青く輝いて命の息吹で満ちあふれる頃・・
僕は胸騒ぎを感じる。
ゴッホの絵画のように・・草も花も樹も森も燃えるようなこの季節に・・僕は目眩を感じる。


コメント
コメント一覧 (4件)
こんにちは。
私は先日、胸部CTを撮って「結核ではないか」との診断をいただきました。
5/6は再々検査の結果を聞きにいかなければなりません。
しかしながら、ほぼ断定的な言い方をされました。あとは証拠をつかむだけという感じです。
私は喘息の持病があったので、咳をしても「今時、結核なんてアリエナイ」と甘くみておりました。
呼吸器専門の内科医のところにも通っておりましたし。横隔膜の近くだったので、レントゲンにさえも写りませんでした。レントゲンを撮ってから、もっと早くにCTを撮っておけば…。
それに加えて、薬を代えてもらっても、点滴をいくら打っても、症状が変わらなかったことを思えば、もうちょっと早くに気がつけたかなと悔やまれます。
コメントありがとうございます。
僕は呼吸器が専門ではありませんが、時々結核の患者さんを診ることがあります。
しかし、確定診断がついたら、国立療養所に紹介することが多いです。
高齢者、アルコールをよく飲む人以外に20代の若い人がかかりやすいかも知れません。
院内感染も若い看護師を守るように対策をとっています。
僕もその頃は夜遅くまで無理をしていたこと、救急病棟の勤務で無防備で患者に接していた可能性もありました。それに一年間健康診断を抜かしてしまったことです。以来、健康診断は毎年受けるようにして、睡眠時間も確保するようにしています。
スポーツもするようになったし、たばこは吸いません。
結核は確定診断がつけば、きちんとガイドラインに基づいて治療を受けられれば治りますから、安心してください。
でも、今のあなたの気持ちはきっと不安でいっぱいでしょう。
早く良くなられることを祈っています。
お返事ありがとうございました。
最初に書いていなかったのですが、私は今24歳です。
ちょうどかかり易い(?)年齢なのですね。
治ることはもちろん大前提なのですが、治療にかかる期間(時間)がどれくらい掛かるのか心配です。
既に来月(6月)には10年ぶりに友人が遊びに来てくれる約束をしていたので、
その友人もさぞガッカリするだろうと思うと余計に悲しくなります。それでは。
治療は半年あるいは一年かかるでしょう。
でも症状はたいてい最初の一ヶ月くらいで取れると思います。
排菌の有無は喀痰の塗沫標本を顕微鏡で見て菌がいる場合・・排菌ありとして・・他者に感染させるおそれがあるので、排菌が無くなるまで療養所に入院する必要があります。
身近な人たちは検診を受けたりする必要があると思います。
また、結核かどうかは遺伝子診断をして確定します。
時々、非結核性抗酸菌症というものが結核と間違われる場合がありますから注意が必要です。これも遺伝子診断で診断されます。
伺うところ、病変の大きさは小さいようですし、結核の遺伝子診断がはっきり出て、症状も軽くて排菌が無いなら通院で6ヶ月の内服治療になると思いますが・・
喀痰が少なくて検査できない場合は空腹時の胃液を採取して調べたり、気管支ファイバー検査も必要になるかもしれません。
専門外ですみませんが・・そう思います。