父は旅人であった。
日本各地あちこち知らないところは無いくらい旅をしていた。
それに僕が小学生の頃、世界一周の旅に出た。
世界の農機具事情を視察する目的であった。
出発の日には大勢の町の人が駅まで見送りに出た。
音楽隊が出て、日の丸も振られた
約1ヶ月の旅だったと思う。
父は6人兄姉の5番目で本家を継いだ。
自分の使命は本家を守ること、墓を守ることと決めていたようだ。
そこで、自分のルーツというものをいつも探求していた。
近所の遺跡を見て回ったり、播磨風土記を調べたり・・
そこで秦氏との関係の深さにたどり着いたのだと思う。
しかし、秦氏がユダヤ人であるということまでは考えていなかったようである。
父はきっと一生を、自分の謎を求めて・・旅したのだと思う。
父の戒名は『不空』という。
お寺さんに頼まず、自分でつけた。
生きているうちから、墓石の母の隣に朱色で彫った。
自分が死んだらこの朱色をとってくれと。
うちの墓には新しい墓石の他に岩石できた古い古い墓石がある。
そこには智麻呂秦公という人の名が彫ってある。
秦一族の末裔を証明するものにちがいない。




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