パーソナリティー障害は深刻な疾患

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パーソナリティー障害とは?

パーソナリティー障害とは和訳すると「人格障害」となるが差別的な用語のおそれがあり、「パーソナリティー障害」で統一されている。ICD-10での定義は「その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った内的体験および行動の持続的パターンであり、ほかの精神障害に由来しないもの」とされている。
今年に入って、パーソナリティー障害なるものの深刻さを目の当たりにして愕然としている。
自分は内科臨床医であり、心療内科や精神科は専門外である。しかし、臨床の場でも身近な人間関係や組織の問題でもこの障害の根深さに圧倒されてしまう。
一つは、今騒がれてる兵庫県知事の斉藤氏についてである。

兵庫県知事は自己愛性パーソナリティー障害なのか?

自分は、兵庫県たつの市の出身である。懐かしい故郷があるから郷土に思い入れはある。
播州弁はきれいな言葉では無いので、大学時代に先輩から指摘された。気になって、一生懸命治してほぼ標準語をしゃべるようになった。関東での生活もあったので播州弁は消えた。そんな兵庫県が今、悲しい状況となっている。
5月頃からだっただろうか?YouTubeで斉藤知事の問題が取り上げられ始めた。その後、公益通報保護法に抵触する問題点が次々と明らかになり、八条委員会が開催され、元県民局長の自死があり、文春砲が飛び交い、一般メディアに取り上げられるようになり、今やワイドショーで騒がれている。
彼がしてきたことは、明らかに度を超えたパワーハラスメントであり、人権無視の尊大な態度である。元県民局長の告発文を「誹謗中傷性の高いもので嘘八百が書かれている」と記者会見で述べたことは、公開パワハラに当たる。自分こそ正しいと言い切る。頑固に自分の正当性を主張し、自分のことを客観的にみれなくなっていることは異常としか言いようがない。告発を受けている当人が、内容を決めつける判断をし、復讐に燃えて犯人捜しを行い、強制捜査を指示し、退職間近の職員を懲戒処分にしてしまうと言う異常さである。その後の記者会見でも全く自分の非を認めない。口癖は「合法的だから問題ない」である。
一方で、異常と思えるほどの自己愛(あるいは醜悪恐怖症)があると思える。出かける時に姿見を秘書に持参させるとか会議の前に時間をとって身支度をするとか、イベント会場では必ず知事専用個室を用意させるとか。
今年に入って、斉藤知事に関係した職員2名が自殺され、斉藤知事の指示で行われた人事で、高名な学者で公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長、五百旗頭眞(いおきべまこと)氏がショックのため急性大動脈破裂で亡くなられている。元県民局長の告発文の最初の項目は、五百旗頭眞理事長逝去に関する問題であった。
3名もの方が亡くなっているのである。それなのに「道義的責任はない」とし、原因は「亡くなった方に聞いてみなければ亡くなった理由はわからない」と言ってのける。自分の言動やしてきた事への反省は皆無である。
数々のパワーハラスメントが言われている。内部通報の内容を被疑者である自分が「誹謗中傷文書である」と決めつけ、徹底的に本人を探し出し、強制捜査をし、局長のパソコンを没収し中身を詳細にみて関係のない私的内容をばらすと脅迫し、短期間の内に懲戒処分をしてしまった。取りまきの「牛タンクラブ」もひどい。知事の指示でひどいことをしてきた。人権感覚が全くなく、「おれは知事様だぞ〜」と威張る。
兵庫県は今違法状態にあると専門家は指摘する。すべてこの知事のせいである。
この人の表情を見るとパーソナリティー障害ではないかと臨床医としての自分は感じるのである。
パーソナリティー障害はいろいろ種類があるとのことだが、この人は自己愛性パーソナリティー障害ではないかと思う。

妄想性パーソナリティー障害とは?

もうひとつのパーソナリティー障害、妄想性パーソナリティー障害を身近に感じることがあってショックを抱いた。しかし、振り返ると長い経過があるように思えてくる。
全ての疑問がほどけていくとともに、いたたまれない気持ちになる。
この疾患の基本的内容は、『人を信じることができないということ。人を信頼できないということ。』なのである。なんという非人間的な事なのだろうと思う。人を信頼できず、常に猜疑心をもってしまい。常に警戒心を怠らない。なんという悲しい病気だろうか!
いきなり病気になるのではないと思う。徐々に徐々に、じわじわと何年もかかって進行していく。最終的には妄想が出てくる。こういう人は頭脳明晰で行動力もあり、組織のトップになってしまうことも多い。
そういう組織は上手く回る筈がない。第一、組織は人の集まりであり、人と人の信頼関係が無ければ、人を大事にしなければ、うまくいく筈がない。人を大事にしない集団は滅んでしまうのである。
武田信玄の言葉、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」を理念としてモチベーションを高めることなどできよう筈がないのである。業務も経営も上手くいかなくなるのは必至である。

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